長生きリスク怖い!「死ぬなら早く、楽に」

長生きリスク怖い!「死ぬなら早く、楽に」

死ぬかもしれないホットヨガにハマる

 

はじめてホットヨガに行ったのは還暦の誕生月から。

もう3年ぐらい言っています。

 

誕生日プレゼントに3人の娘たちから

ヨガ・ウェアと3か月ヨガスタジオのチケットをもらった。

 

 

ヨガにハマってインドまで行ってきた

花屋の奥様からヨガの素晴らしさを聞いてはいた

全く信用していなかった。

左の鼻から息を吸って、

右の鼻から息を吐いてとかいわれても意味不明でした。

 

 

 

しかしプレゼントしてもらったので

体験レッスンに行ったら、

殆ど汗をかいたことのない私の手の甲に汗をかいて、

頭から汗がつつーッと落ちてくる。

 

 

うわぁぁ、汗が出る!

サウナでも心臓がバクバクするので汗が出るまで入っていれないのに。

 

ホットヨガってなんてすごいんだ!

発汗することの気持ちよさを体験しました。

 

しかし、

 

初めてのホットヨガ、心臓バクバクもう死んでもいいと意識もうろうとしてきた。

 

 

というような捨て鉢なすさんだ気持ちも湧いてきちゃう。

このままスタジオにいたら心臓が故障しそう。

 

 

『エヴェレスト』っていう映画で見た凍死とは逆の熱死?

 

どうせ死ぬならあったかいほうがいい。

 

 

その頃は父と母が毎日喧嘩ばっかりしていて、

聞くに堪えない言い争いをしょっちゅうしていました。

 

父は耳が遠いし母に何度も聞き返す。

2度なら我慢もできるけれど3度目ともなると面倒になる。

父は聞く気がある、母はもう聞いてもらわなくてもいい、

という老夫婦の日常。

 

 

あぁぁぁ、離婚してて良かったぁ、私には来ない大声戦争。

 

と思ったものです。

90歳を過ぎてからは慎みをなくし

「どこでも」大声でプライベートなことを聞くものだから、

家族としては恥ずかしいのね。

 

 

しかし私の家は一宮モーニングで有名な地区。

父は毎日娘の私とモーニングに行きたいの。

それで孫やひ孫のことなんか関係なくても

話題がないからしゃべりたい。

 

 

ほーんと当時は朝の電話が怖かったわぁ。

そんな両親を見ていると

 

長生きしたくないって気持ちが知らぬ間に沁み込んじゃって

 

死ぬなら早く、楽に」なんて思ってました。

 

いまは一山超えたので、

ソンな捨て鉢な気持ちはなくなりました。

老々介護に入ったら

あなただって「いつもポジティブ」に

やさしくなれないジレンマを抱えることがあると思うの。

 

それが「人間ドラマ」をするために地球に来た地球人の定めだから。(笑)

 

ホット・ヨガ、クラスがアンチエイジング

ということもあってビギナーの当時の私は

マットに「死者のポーズ」で寝たまま

深く細い呼吸をずーっとするだけなの。

 

 

インストラクターの先生の心地よい声に誘導されて

「さぁ、ゆっくり体がベールに包まれてふわーッと

重力を感じないでべっとり広がっていくようにイメージして

息を糸のように頭のてっぺんから細い細いお線香の煙のように

長ーく吐いて、そうそうもっと吐いて、

内臓がペッちゃんこになっていくのを感じてー」という

落ち着いた声で眠くなってしまう。

 

 

暑くてたまらないけど、

 

自分がゼリーのように広がっていくイメージができる。スゴイじゃない!

 

ホットヨガ!

 

 

このまま心臓停止してもいいわ。なんだか気持ちいいし。

 

 

聞こえるのはスーハーの息の音を自分の心臓のドクドクいう音だけ。

 

ダイビングしているときの、息のボコボコいう音以外は

海の中で静かだなぁと思う無音状態でいるのと似ている。

 

海も漂っている感じだけど、ホットヨガも漂っている感じを味わえる。

 

あぁぁぁ、気持ちいい。と

殆どヨガのポーズをしないコースに入って

息するだけに集中できるなんて最高!

 

 

と思っていたのは最初の3か月だけで、

あとはスタジオの暑さに慣れて、

帰ってからあれしてこれして、と

スケジュールのこと考えたり

雑念が入ってくるようになってしまった。

 

 

ついでに欲も出て筋肉もストレッチしたいとか、

他のコースも受講するようになったら

完全に「くつろぎ」とか「瞑想」からは離れてしまいました。

 

せっかく「瞑想」の一歩手前まで行けたけれど、

残念ながらイメージどまり。

そして今は代謝をあげてストレッチ、

そのうえ内臓の筋肉も鍛えたい・・・欲張りなんですね。

 

 

しかし最初に体験した

 

「このまま、死ぬかも」のインパクトが強かったので

人間おかしなもので

「このまま死ぬかも?」を体験したくなるものなんだなぁ。

 

 

本当は死にたくないけれど、臨死体験みたいな

「ベターっと溶けて骨なんかなくなっていく感じ」は

クセになります。

 

そして「今日も死ななかったわ!」とレッスンを終えて

浴びるシャワーの気持ちよさ、サウナ好きの方ならわかっていただけそう。

 

 

 

 

サウナもすごい流行しているようで

「サウナ学」みたいな本もたくさんでているし

「サウナー」という言葉もあるらしいですね。

 

 

サウナも正しいサウナ法で習慣にすると

脳からドーパミンがドバーッと出るらしいです。

 

つまり脳を喜ばせる人が結果を出せる!というわけらしく

今や経営者はサウナしなきゃね!とサウナのイベントも

自粛が始める前までは盛んだったようです。

 

サウナは脳を積極的にトランスできるようですが、

トランスするよりニュートラルになりたい。

というのが好きな方もいらっしゃるのね。

 

 

私もハイになるより

「自分が溶けて消えていく」ような気持ちよさが好きです。

 

 

私は僧侶でもありませんし、仏教に詳しくもありません。

 

もともと写経は好きでしたが、どちらかというと

「写経」をする私が好き。という程度だったんです。

 

 

ただホットヨガに通い始めてから

「自分が液体のように広がっていく感覚」というのが

とても気に入りました。

 

 

 

上手く説明できませんが、

どこかで自分が溶けていくようで、

自我がホットケーキのタネのようにドローンと広がる感じ。

 

何となく「般若心経」の「空」みたいな

抽象的な存在にトランスフォームしていくような感覚。

 

睡眠誘導のための音楽、528HzのBGMで

入眠するときのような安らかな感じ。

 

何となく「スーッと自然にこの世とおさらばしていく私」を感じられる。

 

 

ネガティブかもしれないけれど「平安」な気持ち。

私たちは宇宙の中のチリに等しい、どんな立派な方でもね!

負け犬の遠吠えに聞こえると思いますが、

 

 

 

般若心経の「空」の抽象的な解釈は

そういう感覚なんじゃないかな、と最近は思っています。

 

静かで、争いのない、勝ち負けもない、安らぎ。そういう時間を私は寝る前と起きるときに持つようにしています。