映画『引っ越し大名』から学ぶ「見栄とプライド」の断捨離

映画『引っ越し大名』から学ぶ「見栄とプライド」の断捨離

映画『引っ越し大名』から学ぶ「見栄とプライド」の断捨離

 

私は及川ミッチーがけっこう好き。
ナルシストだけど、なんだか光る人だと思う。

 

『半沢直樹』とか『七つの会議』などでも、
サラリーマン役としても、
けっこう最後まで粘る静かだけど
存在感ある役、ピッタリだと思います。

 

カツラ被った時代劇でも
『信長のシェフ』のときのノブナガ役なんかは
キラキラでミッチーらしくて良かった!

 

 

今回『引っ越し大名』では、
広島藩主の松平直矩をやってます。

 

直矩は、綱吉の側役である
柳澤吉保に迫られちゃって、

 

 

「えッ!イキナリ?」と、
拒否して付き飛ばしたことを
逆恨みされて「領地替え」させられる。

 

つまり松平直矩、
ゲイでバイセクシャルな殿なんですが、
主役じゃないんで出番は少ない。

 

主役は片桐春之助(星野源)で、本さえあれば何もいらないオタク。

 

あだ名は「かたつむり」なんです!

 

 

内向的で人見知り、
人とまともに話すこともできない
武芸はからっきしダメな弱虫にみえる・・・

 

 

ところがどっこい、

武士としては性根が座ってるんです!

 

 

嘘なんかついたことも無い、
純朴というのが相応しいキャラ。

 

けれども、そういう弱気の
片桐春之助(星野源)は、
引っ越し奉行を押し付けられて
奮闘するんです!

 

失敗したら切腹だから必死。

 

けれども、そんな春之助が
人としての「王道」の誠意だけで
戦い抜くところが「成長」物語として
ジーンと来ちゃうんです。

 

まぁ、春之助は、本の虫ですから、
浮世の事なんか何にも知らない。

 

そして、春之助と同じぐらいの世間知らずで、
ノー天気なのは殿さまの
松平直矩(ミッチー)ぐらい。

 

 

ともかく、
柳澤吉保を拒否して突き飛ばしたことから、
広島藩15万石から
九州日田7万石に国替え、という沙汰が下った。

 

 

広島藩、参勤交代に金がかかり、
財政はいつも赤字。

 

 

そのうえ、
今までも国替えが何度かあったようで、
そのたびに借金がかさみ、
引っ越し代なんか出てくるはずもない。

 

 

ましてや

2,000人以上のお抱え武士の中から、
600人ものリストラ
しなければならなかったの。

 

 

春之助は、ひとりひとりに頭を下げて
「武士を捨てて、百姓になってくれ」
と説得するのですが、
そりゃぁ、命がけの交渉でした・・・

 

 

オマケに荷物運送の人足代も足りず、
藩内の若手の武士を
荷物持ち人足として育成するの!

 

 

こちらも、若手武士たちは抵抗は示すものの、
引っ越しができなかったら浪人になってしまう。

 

 

メンツを捨てて顔に泥を塗って、
人足風に尻っぱしょりして、必死に頑張る。

 

命がかかってるから、恰好もプライドもあったものではありません。

 

そんなもの、何の役にも立たないし、
広島に置き去りにする600人に為にも、
九州日田にお殿様を連れてく家臣たちは、
引っ越しをやり遂げなくてはならないの!

 

 

春之助を支える、
中西監物(濵田岳)と
高村源右衛門(高橋一生)が
最高に面白い友達です。

 

中西は春之助の誠意にほだされて得意の
「そろばん勘定」と
「商人との付き合い方」指南をする。

 

源右衛門は、藩内で逆恨みを買っている
春之助の護衛として
「武芸」に物を言わせる役。

 

しかし、引っ越しのイロハもわからぬ春之助、
源右衛門たちのアドバイスで、
前の引っ越し奉行の出戻り娘「お蘭」を
頼るほかなかった。

 

まぁ、お蘭は父親が下級武士だったので
「引っ越し」のたびに命をすり減らすように
働き過労で死んでしまったことで
協力する気はサラサラない。

 

春之助は八方ふさがり、

 

それでも誠実を絵に描いた男、
先の引っ越し奉行の墓掃除と墓参りをして、
お蘭の気持ちを揺さぶりました。

 

そういうわけで、お蘭が「超仕切り屋」として春之助を支えるの。

 

武士から百姓になった代表は
山里一朗太(小澤征悦)で、
新田開発のリーダーとして
他の武士を導いてくれと春之助に懇願される。

 

春之助は、今回は減俸だけど、
また国替えがあるに決まってるから、
その時は「加増」もあり得る。

その時は必ず迎えに来るって約束をするんです。

 

いわゆる「空約束」この状況では、あり得ないことなんですね。

 

「見果てぬ夢」の「そのまた夢」

 

そういう状況であっても、
希望を捨てないというのが春之助の誠意です。

 

日田から広島に残してきたリストラ組に、
ありのままの状況を
手紙でしょっちゅう知らせるの。

 

 

この手紙の束は見応えがあった!

とくに名前は素晴らしいの!

 

 

 

 

また、さらに国替えを経て、
再度15年後に武士にリストラ組は、
お召し抱えになるんだけど

 

 

百姓としての生き方も素晴らしかった。
棚田が広がる日本の風景、目に沁みました!

 

 

あらすじになってしまったけれど、

引っ越し前の断捨離で、
家財を半分にするというシーンで、
欲張りの上役、
断捨離できずに物欲のスゴサを見せるんですが、

 

 

それなら「だいじなものを書き出せ」と書かされる。

 

 

 

その手(書き方と文字)も素晴らしかったの・・・

欲張りだけど、我の強さ、
それがしっかり者の字として出ています!

 

 

断捨離できないのは
何も私だけじゃないとわかり
安心しました・・・

 

 

錆びてる鉄瓶も捨てられない。
笑ったけれど、人ごとじゃない。

 

 

去年は断捨離の難しさがわかり、
今年は不必要なものは
極力買わないようにする・・・

 

 

という路線でいくつもりです。

 

 

ただし、普段の生活の必需品は
失くしたらもう一度買うほど
気に入ったものを買う、という
自分に甘いルールでですが・・・