『夏目友人帳』⑱人間にとっての50年は、妖怪にとって「あっという間」

『夏目友人帳』⑱人間にとっての50年は、妖怪にとって「あっという間」

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『夏目友人帳』⑱人間にとっての50年は妖にとって「あっという間」

 

今回の主役は「霧葉」という森の妖。
子供なんですが、
推定年齢は多分100歳以オーバー。

 

そのぐらい、妖怪は年を取らない、というか、
妖怪になった時のまま生き続けているんですね。

 

「きりのは」と呼ばれていて、
50年前に夏目レイコに名前を取り上げられ、
その紙を木の枝に結んで
「50年経ったら返してやる」と言われた。

 

なんとも気の長い話ですが、
貴志は「いたずらされたんだな」と軽く受け流している。

 

内心は「きりのは」に対する申し訳なさでいっぱいなの。

 

貴志は、何を聞いても要領を得ず
「すみません」を連発する「きりのは」に
やきもきさせられるが、それ以上にニャンコ先生が
イライラして、「ヒノエ」に手伝いを頼んでいる。

 

 

貴志の方は「妖怪」は見えないけれど、
貴志の世界がわかる同級生の本間を筆頭に、
何人かの同級生が「木の枝にぶら下がった紙切れ探し」
を手伝ってくれる。

 

舵取りはモチロン外向型クラス委員長の笹田で、
他の連中は笹田にはっぱをかけられいるという具合だ。

 

微笑ましいシーンで、
内向型の貴志を慕う友人が数多くいて嬉しい一コマ。

 

そこで、貴志は熱を出して倒れてしまうのだが、
大勢の同級生で貴志を自宅まで送っていく。

 

塔子さんも、貴志に友人がいて一安心したのか
終始笑顔で嬉しそうだ。
貴の世話を甲斐甲斐しくできるのが嬉しいのだ。

 

今は見なくなった「ゴムの氷枕」を
取っかえひっかえするかっぽう着姿も
私的には昭和を思い出して懐かしかった。

貴志の枕元には妖怪3人が並んでいる。
ヒノエが紙を見つけたというのだ。

 

塔子さんに隠れて4人は森に行き、
そこで貴志は
「きりのは、お前が上まで登るんだ」と強くいう。

 

自分のことは自分でする、

名前を返した後自立できるようにとの「親心」か、口調は厳しかった。

 

会話のはじめに
「すいません」ばっかりいっている「きりのは」、

 

私が見ていただけでも50回ぐらいは連発している。
貴志も「きりのは」が同じ内向型で
特別な恥ずかしがり屋だということを
知っているからだとわかる。

 

そしてレイコのしたことが
「ただのいたずら」かどうかも
「きりのは」に確かめてもらいたかったのだ。

 

 

ヘロヘロしながら、木の上に登った「きりのは」は
「キレイだー!」と歓声を上げる。

 

大木の上から「海がキラキラ光って見えた」からだ。
霧葉の夢は「海を見てみたい」ということだった。

 

50年たったからこそ、
木の上から海が見えるようになった、
という話の落歳どころが効いている。

 

「霧葉」という名前

 

「霧」はガス状のエネルギー、「切り」「桐」「喜利」
などイメージが浮かぶ。

 

とくに「桐」は昔はムスメが生まれたら
庭に桐を植えて、嫁に行くときにはタンスにして
持たせるという風習もあった。成長が早く、

湿気を吸ったり吐いたりして
大切なものを補完するのに向いているからだ。
「キリ」も50年単位のことか?と思わせる。

 

「葉」は、上の文字「桐」を受ければ、そこに固定される。
「きりのは」が森から離れられないから、

 

海をみることはできない、
というブロックを持っていたのは、
そのためかもしれない。

 

葉っぱは、木にある時のみ命があるからだ。
今回は「葉」「破」ぶって、海の「波」
見ることができた。おおきな成長だ。

 

 

 

妖怪たちはレイコはただの「いたずら」ではなく、
50年後ならレイコがいなくても
「霧葉」が木に登って名前を自分で取り戻すことが
できると信じていた、という

 

レイコの妖怪時間に合わせた設定を知ることになる。

 

今回は人間界では変わり者で、
誰にもよく知られていないレイコのことが
2つ語られた。

 

もう一つは「ヒノエ」を魅了した
レイコの一面だが、それは次回にしよう。

 

 

 

あらすじ 夏目友人帳シーズン2の5話

『約束の樹』夏目の姿を遠くから見つめる気の弱そうな妖が現れる、夏目と目が合うや逃げ出してしまった。再び現れたその妖「霧葉」に追ってくる理由を聞くと、友人帳の名を返してほしいのだという。名前の返還に応じる夏目だったが、友人帳は反応するものの、どの頁も示すことなく再び閉じてしまった。霧葉曰く、レイコが50年経ったら名前を返すと言って、森の木の枝に結んでしまったという。結んだ紙をとるな、とレイコに脅されていたと聞いた夏目は、探し出したらその理由がわかるのではと思い、霧葉と森にやってくるのだった。