『ルドルフとイッパイアッテナ』にみる「名前」とキャラの相関関係

『ルドルフとイッパイアッテナ』にみる「名前」とキャラの相関関係

『ルドルフとイッパイアッテナ』にみる名前とキャラの相関関係

 

この児童小説は私が30年ほど前に
友人の息子さんに贈った本。

 

それが映画になっていると
教えてくれた方がいらして、
日曜日、孫と一緒に観ました!

 

沢山の感動する場面と言葉が詰まった
ゴディバのアソートチョコレートのような
素敵な映画です!

 

ここでは、名前について取り上げますが、
まず、あらすじを少しだけお伝えします!

 

飼い猫のルドルフ、魚屋さんで
シシャモをくわえたことから追いかけられ、
とっさに長距離トラックに乗ってしまい、
岐阜から東京の江戸川へ運ばれてしまうの。

 

途方に暮れているところで
現地の野良猫の親分に出会うの。

 

ルドルフが親分に名前を訊ねると、
「自分は顔が広いからあちこちで
違う名前がつけられている。
おれの名前はいっぱいあってな……。」
との答えが返ってきた。

 

 

しかし

 

ルドルフは親分の名前が「イッパイアッテナ」であると勘違い。

 

名前を知ることが関係の第1歩。
名前を知らないと、あの人のまま。
とても大事なことですよね?

 

そこから、

 

ルドルフとイッパイアッテナの
家族のような子弟生活が始まった。

 

イッパイアッテナはルドルフを
岐阜に帰らせる方法を模索しつつ、
ルドルフに字の読み書きを教える。

 

ルドルフは飼い猫ブッチーの店から、
岐阜に帰る方法を発見する。

 

けれども、出発する前日にブルドッグの
デビルに騙されてイッパイアッテナが
瀕死の重傷を負うことに。

 

このときルドルフは
学校のクマ先生の家に走り、
前足で親分の名前を書いて、
クマ先生を親分の救助に向かわせます!

 

たかが、猫が地面に描いた二文字

 

文字の言霊が人を動かす・・・ここで私は感極まってしまいました。

 

ルドルフが東京で出会った虎猫は
ルドルフが迷子の子猫ちゃんだと見抜き
サバイバルを教えるの。

 

 

仁義を重んじる虎猫なので、私は「親分」
と書きますね!

 

 

親分は飼い猫だったのですが、
飼い主の日野さんがアメリカへ引っ越して、
置いてけぼりにされて野良猫になったの。

 

 

その後親分は、神社に住みながら
様々な人間に色々なパーソナリティを
使い分けて餌をもらって生きている。

 

このパーソナリティの使い分けは、

すべて

親分を呼ぶ人間が勝手につけた「名前」にあわせた行動なんです。

 

名前のとおりに
親分は振る舞う=行動するの!

 

 

親分は、
元の飼い主が置いていく日のことを思って、
文字を教えていたので、
日本語の読み書きができる。

 

 

親分が飼い猫だった時の名前は
「タイガー」だった。

 

※この「引っ越しによる放置」に対しても
ヒドイという反応が多かったようです。

 

野良猫になってからは、
猫たちからは「ステトラ」
侮蔑的な名前で呼ばれることに
彼は相手にしないという態度で
孤高を保っています。

 

 

警察官は「ドロ」
時々は泥棒猫にもなる。
生きていくって、そういうこと。

 

 

魚屋は「デカ」、体格がいいので、
そう呼ぶんですが魚屋さんに
嫌われていないことが分かる名前!

 

学校の給食室のおばさんや
クマ先生は「ボス」、と敬意を
こめた呼び方をするの。

 

 

図書室に行って勉強するし、
給食のシチューの日がわかるから!
献立表を読んでいるとは
誰も想像すらしないのね。

 

 

おばあちゃんは「トラ」
優しく呼びかけます。
おばあちゃんの無言の話し相手を
務めています。癒し猫キャラ!

 

ニンゲンはこんな風に親分を様々な名前で呼んでいます。

 

こういう事情で、親分はルドルフに
「俺の名前はいっぱいあってな」
と答えたので、
ルドルフは「イッパイアッテナ」
という名前だと思い込んでしまうの!

 

 

初対面の名乗りの時にルドルフが
「僕はルドルフ」というと、親分は

 

「ハプスブルク家のルドルフ1世からとったんだな」と返す。

 

この一言が、親分のインテリジェンスを
最初に匂わせてくれた大事な一言。

そして歴史的な「名前」でもあります。

 

 

イッパイアッテナは
ルドルフを送り出すときに、
「俺も日本語だけじゃなく
英語も勉強するぞ」といいます。

 

 

ルドルフを心配して
送っていこうとする親分
イッパイアッテナにルドルフは

「僕はもう子供じゃない、
独りで行ける!」と決意を言葉にします。

 

 

親分はルドルフの成長に
「自分も元の飼い主のところに、
貨物船で行くことができる」
という目標を持つの。

 

 

親分イッパイアッテナが何度も
「絶望は愚か者の答え」とルドルフに
言うのですが、この厳しい言葉は
自分に向けて何百回も繰り返してきた
言葉だと分かります。

 

 

飼い猫から捨て猫になった
イッパイアッテナの

「たくましく、与えられた環境で生き抜く」

 

自分を鼓舞する言葉だと確信します。

映画『ルドルフとイッパイアッテナ』の
レビューは「ヒドイ」というのも沢山あります。

 

けれども、ルドルフの飼い主、
りえちゃんが1年ルドルフを
待ったということも考えてあげて欲しい。

 

 

私自身は2月に飼い猫を保護して、
今は我が家の猫として飼っているの。

 

https://www.facebook.com/ebisumoji/videos/371194361484201/

チラシを作ったり、獣医さんや保育園・
農協・コンビニなどに貼らせてもらったり、
1か月待ちましたが、飼い主現れず、
避妊手術もして、アップルの位置情報が
わかるタグも付けて飼っています。

 

 

最初に飼い主探しをしたので、
近所では有名なニャンですが、
『ルドルフとイッパイアッテナ』に
重なるところがあって、刺さる映画でした。