『夏目友人帳』⑪「内向型」夏目貴志はいつも物語をシミュレーション!

『夏目友人帳』⑪「内向型」夏目貴志はいつも物語をシミュレーション!

『夏目友人帳』⑪「内向型」夏目貴志はいつも物語をシミュレーション!

 

「外向型」「内向型」っていう性質、のことを
自分の性質・個性への言い訳=考察もかねて
してみようと思います。

 

夏目貴志は、無口でクラスメイトから
話しかけられると答えるというパターンが多い。

 

 

 

1人で読書をしていたり、
普通の人が見えないものが見えるものだから、
ぼーっと外を見ていたりするように見える。

 

「ぼーっ」として見えるのは、
貴志はこの世を生きていながら、あの世も生きていて、
少なくとも2人分の「世界」を生きているから、
行き来するのに「頭」が忙しすぎると私は思っている。(笑)

 

授業中に、3階にある貴志の教室の窓には
妖怪が「夏目様ぁぁぁぁ、助けてーっ!」って言ってたり、
夜寝ていると、部屋の外から「夏目様、お邪魔しまーっす」
と妖怪がやってきていて、それぞれに対応しているの。

 

24時間働きます!っていう人生なのよ!

 

そんな貴志とは正反対なのが、クラス委員の笹田純。
彼女は「外向型」の貴志の同級生。
クラス委員長を務める優等生。
貴志には妖怪がみえているのではないか、と疑っている。

 

 

そして、いつも積極的に貴志に話しかけている。
多分子供の頃からあっという間に友達を作れるし、
頭の回転も速く子供迅速な。
性格も朗らかで魅力に溢れていて、
学校でも自然にリーダーシップを発揮する。

 

反対に夏目貴志は、小さい頃からおとなしく、
新しい環境では緊張で体が硬くなっちゃったタイプ。

 

「ウソつき」呼ばわりされて、いつもビクビクして、
何をするにも
シミュレーションばかりするようになってしまった。

 

はっきり言えないことが多すぎて、優柔不断にも見える。
特に「自分の見える能力を人に知られたらどうしよう」
といつも心配している。

 

「あんな風に言ってしまったけど誤解を招かないだろうか」
と1人反省会は常にアンストッパブル。

 

世の中では「外向型の人の方が強い」とみえる。
『ドラゴンボール』の悟空や『ワンピース』のルフィなど、
みんな外向型だからだ。

 

「外向型」人間が世界を救うと決まっているように、
ステレオタイプなヒーローといえる。

 

しかしながら、貴志の「優柔不断」なところは、
裏を返せば「思慮深い」ということだし、
「心配性」はリスクマネジメントの賜物だ。

 

貴志のように「内向型」のヒーローは、
アイディアや野心を持っていないわけではなく、
自分の夢を追うのにいちいち騒がないだけだ。

 

「口数が少なくても、誰もが耳を傾けるようになる」
という静かなヒーロー。

 

そういう意味でも夏目貴志は日本的なヒーローだといえる。

 

「外交型」タイプは、ポジティブだから、
誰もが息抜きにパーティーに行きたがると思っている。
「内向型」は、静かにぼーっと1人でいたいから
パーティーは息抜きにならない。

 

夏目貴志は、お世話になっている藤原家の塔子さんに
迷惑をかけるのを、極端に避けようとしている。

 

にゃんこ先生のために「おやつ」のおかわりをするのも
遠慮がちだ。
けれども「謙虚さ」と「勇敢さ」を同時に持っている。
だから、妖怪たちに頼られるし、信頼されている。

 

物静かで、不屈の精神を持っているヒーローなのだ。