現代人の手書き文字に対する毒された美意識。この稲川淳二さんの筆跡「怖い話」よりホラー!

現代人の手書き文字に対する毒された美意識。この稲川淳二さんの筆跡「怖い話」よりホラー!

良く子供の頃習字を習っていたから筆ならそこそこなんですが、

ノートに書くとダメなんです。って、安心してください。私も下手字ですから。

字に自信がないと先に言い訳しちゃうんですよね。

でも、それは何と比べて?

筆跡診断と「自分用のオリジナル改善文字」では

一度も上手に書こうなんて言ったことないです。

常に「あなたらしく、おおらかに、ゆっくり、大きく」です。

筆だと上手く書けるのは大体の場合お手本がある。

それを真似て書く。

ノートの場合自分の言葉で書くのでお手本はない。

そして、筆で書くときのようにゆっくり書かない。

もう一つ考えられるのは健全度が低いとき。

自分では気付かず疲れている、怒っている。

悲しんでいるとか辛い時はテキメンにわかります。

自分では感情が字に出てるなんて思わないでしょうけれど、

元気があるな、とか伸び伸びしているなどの印象は誰でも感じます。

書道家の方ですら日展で賞をとったら手紙は書くな、

という話も案外ウワサだけではないかもしれません。

私は筆跡診断を通して一貫してバランスより元気よく

長所はより強調して短所は直しちゃいましょう。

それ一番簡単な開運だし、神頼みじゃないけど

紙だけは使うのよ。とアドバイスしています。

とっても残念なことですが、今の子供達は

縦書きの日本語の人の手で書かれた

美しいものを見て育っていない。

私たち現代人の文字に対する美意識が

活字に毒されているので、

美しい人柄を感じさせる文字を目にすることが

少なくなってきています。

印刷技術が発達する前は全部手書きでしたし、

パソコンで打ってプリントするだけの時代は味気ないです。

もともと人は手書きの文字の美しさには

洋の東西を問わず惹きつけられてきました。

ですから私が筆跡を学んだときも

フランスでは筆跡鑑定士は国家資格としてあって

心理学者にように分析して書いた人を判断している。

と聞いて驚きました!

筆跡鑑定と筆跡診断は言葉は似ていますが

似て非なるもの。

鑑定は犯罪捜査に使われたり相続の証拠として

同一人物が書いたものかどうかを判断することです。

筆跡診断は、文字からその方の性格とか心理状態などを

75箇所ぐらいのチェックポイントを通して類別します。

そこで長所はもっともっと伸ばし、短所は改める。

脳のクセを上書きする改善アドバイス考えて

「人間関係を円満にしたい」「包容力を大きくしたい」

「もっと自己主張できるようになりたい」という

自分を変える手段をピンポイントで攻めていきます。

活字のフォントがいかに美意識を毒しているのか?

文字には意味があって固有の大きさや形があるので

実は幅や長さは一定しないにもかかわらず、

活字はマス目に収めるために字の形には無理が生じる。

楷書や行書の横画は本来なら必ず右上がりに書くもの。

それが楷書行書のルールで、それ以前の書体とは違う。

それにもかかわらず明朝体、ゴシック体などの

多くの活字の横格がが水平になっている。

こういう理由から子供の時から活字ばかり見てきたら

手書き文字のバランス感覚を失いつつある。

ですから美文字ということ自体を忘れて

手書きの時は気持ちを上向きにするためにも

ちょっぴり右上がりで書くようにしていきます。

私も水平ばかり書く隷書を習っていたので

右上がりじたいが難しく感じています。

さぁ、ココから本番!稲川フォントのホラーっぷりをご覧ください!

まず、稲川淳二さんは俳優でもあり、怖い話をする

舞台人、でも工業デザイナーでもあるんです。

そこを掴んでから読んでくださいね!

この優しそうな表情で怖い怪談をするんですね。

私は文字に関しては白石佳代子さんよりホラーだと思っています。

全ての文字を緋色で書いていらっしゃる。

普通のインク沼の住人より一途な一色派!

赤は私のラッキーカラー。画家では斎藤吾朗先生の大ファンです。

このマンダリンオレンジという水性ペンの色、個性的ですね。

稲川淳二さんなりの文字を書くことに対するこだわりが伝わってきます。

彼曰く

「よく活字みたいと言われるんですけど、全然違うんですよ。

会社のスタッフにパソコンで打ってもらうこともあるんですが

なぜか頭に入らないんです

中略

それと赤い字は頭に入るんです。

以前テレビを見ていたら、こういう赤色のことを

外国人が「ジャパンレッド」って言ってました。

格式を感じる良い色ですよね。

中略

今(一月十日)まだたくさん年賀状が届いてるんですが、

字を見た瞬間に、あ、誰々だってわかるんですよね。

生涯ずっとその形をくずしてほしくないですね。

字のくせっていいですよ。その人らしくて

「淳ちゃん元気?」なんて乱暴な字で書いてある。

でもなんでこいつこんなに上手いんだろう?って

思ったりして。

決して上手とは言えないんだけど、気取ってない字。

年賀状で面白いのは、それですもん。

手書きでくれる人には、手書きで返事を書いてるんですが、

手、タコでボロボロになってしまいます。

あと、むかしドラマに出演した時、台本がガリ版だったんですよ。

ぽんぽん頭に入ったの。

情感も湧くんですよ。

やっぱり熱がこもるっていうのかな。

その熱でもって、ポーンと頭に入るんですね。

手書きはやっぱり時間かけて一生懸命書いた人がいるからかな。

とっても距離感が近く感じますよね。

よく「几帳面ですね」と言われるけど、偏屈じじいですよ。

よくもまぁ、生きてこれましたよ。

いまや怪談じじいですからね。

でも私、もしかすると人が好きだから字も好きなのかなって思いますよ。

淋し狩りやだからかもしれないけど、私けっこう人が好きなんですよ。

後略  」

稲川さんは何か書く前に必ず「鉛筆を研ぐ」

とおっしゃっています・

この儀式がスゴイですよね!

バーコードリーダーなど色々な商品を世に出した

工業デザイナーとして稲川フォントができたんだと思います。

彼も字はその人が誰かわかるし、乱暴でも上手いと思うという

文字に対する情熱を語っていますね!

文字はその人そのもの、上手下手じゃなく生き方ですよね!

こちらの本をご覧になりたい方は

『美しい日本のくせ字』井原奈津子 著をお手に取ってね!

バーバラはこの「くせ字」にハマりましたわ!

拡大してでも稲川さんのフォントフィーバーについて読みたい方用